建築業界と福祉住環境コーディネーター

国家資格の一つ「福祉住環境コーディネーター」は、手足が不自由な要介護者が安全かつ健全な生活が出来るように、自宅や公共施設の建築時に問題なく福祉設備の導入をするためのアドバイスをするのが仕事です。要介護者は70代を超えて身体機能が落ちるだけでなく、事故や病気で機能がマヒをしてしまうことも考えられます。そういった要介護者は通常の建築物件だと、普段なら気にならない段差や設備の位置が生活の邪魔をする「バリア」になってしまうのです。そこで福祉住環境コーディネーターが要介護者がリフォームを決断したときに、建物内の状況を見極めて適切な段差の解消や現在の商品から最適な設備の導入をアドバイスします。

そんな福祉住環境コーディネーターですが、これまでは自治体の福祉事務所での雇用が多かったのですが、新しい雇用先として建築業界で重宝されるようになっています。なぜ建設業界で重宝されるようになっているのかというと、新築もしくは最初から作り直すリノベーションをする際のニーズとして安全な老後生活が望まれるようになったからです。建設業界も安全な老後生活のニーズの高まりを理解しているので、しっかりと計画を立てたうえで建設をするように心がけています。

しかし、要介護者といっても個人によって体の状態は千差万別であり、基本的な福祉設備の知識しか有していない建設業界では要介護者のニーズに完璧に応えるのは難しいです。そこで福祉住環境コーディネーターを雇用することで、専門的な視点から適切な設備や間取りが構築でき、千差万別の要介護者のニーズに応えることができます。このことが雇用数が伸びている背景といえます。